(7/21全文掲載) 記念講演会 「今の時代、なぜ金融教育が必要か」
友電会だより
| 2011年7月14日 14:00
4.金融と工学的技術
4-1.背景
このような背景で、どういう運用をするか、資金を管理していくか。
グローバル化・溢れる金融情報
1.世界はつながっている
2.グローバル化する、消費・労働・製造
3.グローバル化する、企業・マーケット
4.世界の上場株式数は45000(日本3000)
5.溢れる金融情報
(株式・債券・為替・商品・不動産等)
6.情報の選択・加工能力⇒読み解く能力
世界の上場株式4万5千、日本3千、4万5千に債権、商品、そういうものを入れると上場されているのは、6万あります。
私たちが運用をやっていたころは、こんなにはありませんでしたが、今はこんなにあります。あふれる金融情報です。株式、債権、為替商品、不動産。不動産もそうです。不動産は上場されて切り売りされています。そういったことをどう情報を選択して、加工して、読み解く能力をつけていくか、というのが大事なことです。これは工学部の仕事です。
基本的な考え方は、数学、物理、情報工学です。しかし私は法学部出身なので、わかりません。しかし、工学的アプローチを使えば、すぐできます。不得意な数理計画、2次計画法、一時計画法もパソコンを使います。パソコンの関数、ソルバー等を使えばあっていう間に最適化できます。私の授業では、徹底して難しい数学は基本的なことを教えますが、あとは、パソコンで最適化を教えこんでいきます。
4-2 金融の工学的アプローチ
(1)リスクについてのアプローチ 不確実性・資産価格評価・大量情報処理
2000年以来から情報工学が発達しました。私ども、1990年前後の運用のときは、そこまでは発達していませんでした。ですから、日本の金融機関の運用というのは、そんなにすぐれたものではありませんでした。リスク管理面においても、そんなに卓越したノウハウなどを持ってたということではありません。そして、いいことに我々が課長の頃には部長とか担当役員も、そんな数学がわかる人はいませんでしたし、そんなことを説明してもわからないので、あまりそういう面に一生懸命勉強しなくても良かった時代でした。
ところが2000年頃からものすごい勢いで変わってきました。まさに情報通信技術の発展で、飛躍的に数学がわからなくても、金融の分析というものが、パソコンで一気にできるようになりました。それは関数です。関数を使えばすべての計算ができるということです。
私のゼミ生で、1人300銘柄を、毎週ゼミを5時から8時までしますが、ここの2階のメディアセンターというところにブルームバーグという機械から銘柄を取り出して、過去10年間の時価平均利回りを全部算出し、そしてそれを1700銘柄順位分けし、それらのパフォーマンスが、どのROE、1株あたりの利益、配当率、どの要因によってパフォーマンス、いわゆる値上がりが大きいかを全部今、計算しています。
その中で、理系は5人のうち1人しかいません、あとはみな文系からきています。それでもパソコンを使えば、できます。こういった工学的アプローチというのは数学とか物理を使わず、数学とか物理を実用的用途に持っていく、というパソコンを使いこなせるかどうかということです。では、数学の先生が投資やパソコンを使ってそういこうことができるかというと、そうでもありません。関数を使うところは、実践でやっている、ノウハウが必要です。リスクとリスクについてのアプローチ、不確実性を瞬時にパソコンで計算します。また、資産の評価、本来価値を頭に入れて、時価と比較し、売り時、買い時などは、ヘッジファンドは瞬時にしています。また、パソコンでは大量情報処理が進んでいます。
(2)権利の価格についてのアプローチ オプション価格評価
権利の価格というものが計算できるようになりました。それは、今までは、株、原油、不動産など、モノの値段を計算する、というのはありますが、権利の価格、買う権利、売る権利が計算できる理論を作りあげました。オプション価格理論。これもパソコンで全部できます。3つの要因をほりこめば、オプションの価格理論というのがパソコンで簡単にできます。
(3)証券化アプローチ
資産(不動産等)、権利、信用の加工・細分化
証券化、今まで不動産というのは、なかなか扱いきれませんでした。不動産というのは多額のお金を出さなければ買えませんでした。ところが今は、「100分の1の不動産をください」、といった感じで、不動産が細分化されています。そういった形で、不動産、そして権利とか信用力。新聞を騒がせたCDS。国の信用力が売買されています。会社の信用力というのが売買されています。
こういった意味で、信用を加工したり、信用を細分化したりすることができることになったということで、それも全部パソコンです。背景は数学ですが、我々実務家にとっては、パソコンを使えば、いとも簡単にできます。
これを私は、工学的アプローチだと思っています。大阪電気通信大学の金融経済学部を開設した目的でもあり、世間が認めていることだと思います。
今までは、なかなか実務的に処分できなかったところですが、私どもは、授業でも基本的に全部パソコンを使って、実際企業でしていることをそのまま学んでいます。
5.まとめ
(1)高校生、中学生に対する金融教育というものは、若者の自立力を固めるためには、非常に大事なことです。
働く意義、人的資本、あなたは何を売りにするの?どういう仕事をしたいの?こういったことを早めに自覚させるのは、非常に大事なことです。
(2)社会人の金融リテラシー。金融の基礎的能力というのは、これは待ったなしで、どんどんレベルアップしていきます。
みなさん、投資信託、色々やられている方もいらっしゃると思いますが、私は投資信託は一切していません。投資信託の管理報酬というのは、購入したときに支払っています。そして、毎年支払っています。私は株は取引していますが、インデックスの株投資を買ったら、毎年1%の手数料を支払っています。アクティブインデックスでない株式を買うと2%支払います。それが毎年です。
それがいいかどうかは、皆さんの判断ですが、私は、それは必要ないんじゃないの?と。
インデックスというのは個人が運用目標にする意味合いはどこにあるんだろうか、というのが私の主義です。ですから私は、株式投資をやっています。しかし、自分で10銘柄、5銘柄をというものを作って、インデックスのパフォーマンスに8割とか7割でも連動すればいいのではないか。そうすると、配当金が2%くらいずつ入ってきます。そして証券会社の管理口座は3000円です。自分でインデックスは作れます。インデックスに連動するようなものを、そして、毎年配当金が入ってくる。そういったことも 金融リテラシーのひとつです。
(3)実践教育。この大学は実践教育ということを称して学習しています。
実践教育というのは2つ。まさに、即戦力と専門性ということです。ですから、即戦力は徹底して目的意識を植え付けようとしています。なかなか最近の若者はついてきてくれないというのはありますが。専門性というのは、資格ということです。徹底して取得させています。
私は住友信託ですけども、住友信託でもそうです。課長になるには、資格群から30ポイント取らないと、課長にはなれません。資格群といものがあります。例えば、証券アナリスト1次は何点というように、出来上がっています。30ポイント取らないとだめです。英語はTOEICは全員450点以上は必ずとりなさい。企業において社会人として実力を証明するのは資格になっています。専門性のひとつは資格だというのを、我々は大学で徹底して教え込みます。
ですから、一番この3年生約130人いますが、ほとんどが、FP2級、FP3級、簿記2級、簿記3級、どれかを取得しています。取得して、エントリーシートにかけないと、面接にはいけません、今こういうような資格で自分の能力を証明する、というのがひとつ。
もうひとつがパソコンの技術です。パソコンを徹底して技術として教え込んでいるということです。こういったことで、この大学もしくは本学部はこの3点、金融教育と金融リテラシー、それと実践教育というものをやるために、作っていただいたということです。
ますます我々は、実践教育と社会貢献というのをやっていきたいと思います。ですから、私が担当している社会人アカデミーというのは、4月から始まり、この秋に一度終わります。秋から秋コースというのが始まります。我々が研究したものをオープンにしていきたいという形で行っていきたいと思います。
インデックスは横ばい、もしくは下がっているのに、すごく良い銘柄、ポイントってご存知でしょうか? いわゆる、女性の衣料らしいのですが、ポイントって何だろうというとゼミ生が、先生これはこういう会社ですよって教えてもらいました。
そこは、10年間で40%のパフォーマンスを上げています。1年前は、日本生活社だったんです。日本生活社はご存知ですか?ところが、原子力をやっていますから、日本生活社は下がりました。下がっても過去10年間のトータルリターンは2割あります。そういう個別銘柄をみれば、すごくいい銘柄です。
個別銘柄の選定の仕方というのは、パソコンでします。四季報を見るような時代ではなくなりました。一瞬にして、スクリーニングをかけていかないとなかなかできない。という時代になったという意味で、工学的アプローチというのは、数学を勉強しなさいというのではなくて、パソコンといったような関数とかグラフとか、他にピボットテーブルなどソーティングの技術など、パッと視覚化することによって判断していくという時代に入っています。
こういった形で、今、私どもの大学がやっているということを、お話をして、私の皆さんに対する抱負ということで、今日は終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
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