前学長、南茂夫先生が洛陽工高同窓会で講演

友電会だより | 2003年5月22日 20:18

湯場崎直養(通信工学科6期)

京都市立洛陽工業高等学校・電友会(電気・電子系学科同窓会)主催で行われた「大阪電気通信大学前学長、南 茂夫 先生の講演会」は19日、京都パークホテルで母校の先生方、友電会の役員の方々をはじめ京都大学、京都工芸繊維大学、京都の知的クラスターの関係者ら総勢100名が出席、盛大に終えることができました。ありがとうございました。

 

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◆科学計測について講演
南先生のお話は,「いのちを見張る科学計測のテクノロジー ~その役割と技術者育成~」と題され、約1時間余り環境、食品、テロを含む犯罪などの監視に、またバイオや医療の発展に、分析機器を中心とした科学計測技術が、どのように駆使されつつあるかを展望されるとともに、その分野の技術者を育むための各国の取り組みについて、こと細かく、事前に準備されたOHPを用いて平易に解説されました。
◆モノづくりの観の重要性を強調
そして、お話の締めくくりには島津製作所が輩出したノーベル賞受賞者、田中耕一博士のご功績を例えにされ、科学計測分野だけではないとの前提の基で、工学をひもとくこと、日本の産業技術を発展させることには「モノづくり」観が重要であると説かれました。そして、会場においては同感だとの雰囲気
に包まれ、納得させられた。
しかし先生はモノづくりの大切さを説く場合、世間では伝統工芸や建築、あるいは加工といったイメージに限定されることを懸念され、むしろハイテクノロジーこそ[モノづくり]観が大切であることを強調されていた。
◆京大名誉教授、椹木先生も絶賛
南先生のお話のあと、京都大学名誉教授の椹木義一先生(複雑系システムがご専門)が壇上に立たれ、冒頭に「もう86歳になった。しかし、まだまだ夢を追いかけている」とお話になると、会場から大きな拍手に包まれた。そして、椹木先生は南先生のこれまでのご功績を讃えられるとともに、これからのシステム技術の将来像として、今話題になっているナノテクノロジーを取り上げられ、その複雑系(非線形)カテゴリーをナノ加工、ナノ計測、そして実用化シミュレーションに層別され、さらにそれらの応用分野には、情報通信、バイオテクノロジー、エネルギー、環境、材料、メカトロニクスを掲げられ、それぞれの具体的な研究領域をマトリックスで示されました。会場は、その明確なマトリックスに大いなる関心を傾けた。
◆研究・開発は社会に役立つモノを造ること
南先生と椹木先生のお話を通じ、共通するところは研究・開発は社会に役立つモノを造ることであり、それには知識だけにとどめず、創造・設計・製作の能力が必要であることと、大学教育においても「モノづくり」観が重要とされたことであった。
◆懇親会でも「モノづくり」観が話題
南先生の講演会のあとは懇親会に移り、ジャズ,ポップスの生バンドの演奏をバックに約2時間、南
先生・椹木先生を囲み和やかな対話に花が咲いた。
この懇親会では、やはり「モノづくり」観が話題となり、なかでも京都工芸繊維大学の山田正良教授(電子情報工学科)から「大学もモノづくり観をもたねば良いエンジニアは育たない。そこで南先生の指導を仰ぎたい」と話されていた。また、会場からは『モノづくりの大切さを認識したが,「モノづくり」という言葉にはどうしても低レベルでのイメージとしてしか映らない。この点を何とかしなければならない』といった意見が大勢を占めていた。
◆二次・三次会でもカラオケなしで「モノづくり」論議
酒を交わしながらの「モノづくり」観は尽きることがなく、そのまま二次会の席に移され、約20名が祇園にくりだした。普段であれば、このような二次会では酒を交わしながらカラオケを演じるのであるが、
「モノづくり」観が加熱していて誰一人としてカラオケを演じることもなく、午後11時30分にお開きとなった。
しかし「モノづくり」観にはまりこんだ約10名は、さらに居酒屋での三次会へとくりだした。当然,南先生もおられ、京都工芸繊維大学の先生方、友電会の役員、そして地元京都の湯場崎が加わり終わったのは深夜の1時30分であった。
◆科学者と技術者について
この中で友電会の役員から、母校のパンフレット類には「科学者?の養成」となっているとの発言があった。私は「何かの間違いではないか」と問い質したが、そのようであった。それはおかしいと思う。
母校は工学系の大学であり、科学者を養成するようなカリキュラムも存在していないはずであり、世間での誤解を招くような表現ではなく「技術者の養成」と改めるべきであると思った。それもそのはずで、
私達の卒業生の中で科学者となった方々が何人ほどおられるのでしょうか。私だけかも知れませんが、大阪電通大学卒業とする科学者には未だに会ったことがありません。
◆南先生の人柄に触れ、心が洗われた想い
南先生には、講演原稿の用意から深夜まで至るモノづくり談議にお付き合いいただきましたことを光
栄に思いますとともに、先生のお人柄を直々に触れることができ、参加された友電会役員の皆様とともに有意義・納得できた1日でした。南 茂夫先生に感謝致します。また、友電会の皆様には多大なご協力を賜り、ありがとうございました。洛陽工業高等学校・電友会の前会長として御礼申し上げます。

<京都市立洛陽工業高等学校電友会(電気・電子系学科同窓会)の招きで講演する南先生。京大、椹木先生や京都工芸繊維大学・山田先生をはじめ参加者から大きな拍手を受けていました=4月19日、京都・京都パークホテルで>